2010年9月5日日曜日

緑破片(10)

生きていくということ。
終わってくれないから生きてる、と彼女は言う。
何回も何回も死のうとしたけど死ねなかった、何故かわからないけど死ねそうなのに死ねないっていうのを繰り返しているから、多分私は死ねないんだなとも思う。
だからとりあえず息をして、生きてみようか、というところに私はとりあえず立っているんだ、と。

昔嫌なことが在った分、これから幸せになれるんだよ、
なんて無責任なこと言う人もいるけど、そんなこと、私たちが信じられると思う?
無理だよね。そんな希望的観測、持てるわけがない。

でも
それでも一秒一秒、私は生きてる。
必死に生きてる。
だからせめて、私にこれ以上要求しないでって思うんだよ。
「昔あんなことがあったけど、それはもう過去のことなんだから、昔の元気なあなたに戻れるはずよ」なんて言う人もいるけど、冗談じゃないや。
そんなふうに私に、今元気であることや笑うことを強要しないでって言いたい。
私はこの、たった一秒を越えるだけで、精一杯なんだ。