2011年5月27日金曜日

流木

この場所で私はいつも、流木と出会う。私の力なんかじゃ持ち上がりそうにないほど大きなものもあれば、この写真程度のものも。それはその時その時で異なる。
一体何処からこの者たちは流れてくるのだろう。何処をどう旅して、ここまでやって来るのだろう。

そおっと、私はその流木に座ってみる。風と同じ温度の流木。乾いたそれは、思ったよりもずっと頑丈で、私が全体重をかけてもびくともしない。
そのまま空を見上げてみた。雲はびゅうびゅうと全速力で流れてゆく。風が渦を巻いているのがまるでこの眼に見えるかのようだ。

あぁ。この流木も、この砂丘も、この風もこの雲もこの空も。
一体どれほどの時間を重ねて今ここに在るんだろう。
誰も何も言わない。ただ在るがままにこうして今在る。その在るがままという在り方に、私はいつも、恋焦がれてしまうのだ。