2011年6月14日火曜日

日没の刻

鳥列を追いかけながら気づく。ああ、今、今まさに太陽が堕ちる。私は突然、立ち止まり、じっとその様を見つめた。
見つめなければいけない、そんな気がした。

そうしてぽとん、と、あっけなく太陽は堕ちた。地平線に沈んでいった。辺りは突然薄暗くなり始め。私はその時初めて、寒い、と感じた。
太陽がどれほどのものを、この地上に与えていたのかを、痛感した。いつのまにか鳥列は消えており。私はまるでこの砂地に取り残されたかのような、そんな気がして。

帰ろうか。
うん、帰ろうか。

どちらともなく言い交わし、歩き出す。防風林の中の小道はしっとりしており。私はそのまま裸足で歩く。
突然、私は振り返りたくなる。今度ここに来るのはいつになるんだろう。またおまえと会えるんだろうか。そんな不安に突如襲われて。
でも。
振り返るのは、やめた。私はきっとまた、ここに来る。そして再会する。この場所と。この世界と。またきっと。