2012年2月23日木曜日

空を見上げるということ

私は毎朝、よほどのことがない限り一度は必ず空を見上げる。
そこにはひとつとして同じ空はなく。いつだって唯一無二の空が、在る。

思うのだ。
空を見上げるということはどういうことか。それは、空と向き合う、ということだ、と。
曇天の鼠色の空がたとえば今そこに在ったとして。私はそれをどんなふうに見つめるだろう。
重苦しいと感じるのか、それとも雨粒がいつ落ちてくるかとわくわくするのか。
それだけで、今の私の心の状態が明らかになる。
そう、私はまさに、空と向き合っている。空と向き合うということはそのまま、空を鏡にして自分と向き合うということに他ならない。

その時々の自分の心の状態を露わにする空。
今日私は空を、いとおしいと思った。
明日私は空と向き合い、一体何を思うのだろう。

そして、あなたは?

2012年2月17日金曜日

見据える先に、

私はよく、追い詰まっている時、自分の内奥で自分がしゃがみこんでいる姿を想像する。じっとしゃがみこんで、前方を見据えている、そんな姿。
本当なら、勢い良く飛び出していけたらいいのだろうけれど、結構臆病な私にはそれができない。
できるのはせめて、しゃがみこんで、じっと前方を見据える、そのくらい。

確かこの画を撮影したのは真冬だった。寒風吹き荒ぶ日で、だから彼女はフードを被ってせめてその風を避けていた。
でもその寒さのおかげで、空気は凛と張り詰めていた。張り詰めた空気はモノの輪郭を露わにする。光と影の境界線をくっきりと浮かび上がらせる。
私たちはそうして公園の、所狭しと立つ樹木の間で、この写真を撮った。

意図したわけではないけれど。
ちょうど、こんな具合だ。
しゃがみこんで、前方をじっと見据えている。そんな姿を私はいつも思い描く。そうして自分の中で、そこから徐々に体勢を変えて、いずれ飛び出す自分の姿を想像する。

その瞬間は。いつかなんて誰にも分からない。
私自身にしか、分からない。
だから、その瞬間を見逃さぬよう、私はじっと前方を見据える。私の視界がぱっと弾けるその瞬間を狙って、私は飛び出す。

さぁ、今だ!