2014年1月20日月曜日

にこにこふわふわ


私が産後すぐ体を壊したせいで、彼女は生後半年してすぐ保育園に入れられた。
迷惑だったろう、と想像する。いきなり知らない世界にその年齢で入れられて、何がなんだか分からない毎日だったろう。

保育園に朝送りに行くと。
たいがい入り口が込み合っている。理由は簡単で、赤子がみんなして泣いているからだ。
かぁちゃんかぁちゃん、と、かぁちゃんの手を求めて泣き喚いていて、ためらうお母さん方でごった返している。
そんな中、
彼女は違っていて。
にっこり笑ってふわふわと手を振る。
保育士さんが「いい子ねぇ」と褒めるとさらにふわふわ手を振ってにこにこ笑い、私を見送ってくれる。
そんなんだから、私は逆の意味で躊躇ったんだ、いつも。
大丈夫なんだろうか、この子は私に気を使ってこんなふうにしてるんじゃなかろうか、
本当はつらいんじゃなかろうか、なんてあれこれ想像して。

逞しい子だった。
でも同時に、
とても孤独な子だった。
マイペースで、自分のテンポを頑なに変えようとしない、
幼い頃からそういうところがあった。

そんな君は。
走るときさえにっこにこ笑って走ってたっけね。
みんな、走るのがよほど好きなんだね、って言ってたけど。
本当はどうだったの?

いつか、教えてほしい。