2014年2月12日水曜日

私のカタチ

























みっちゃんは、私にとって特別な存在だった。
普段の賑やかな彼女からは想像がつかないが、カメラの前に立つと彼女はしんとする。
しんとした空気は凛と張りつめて、途端にそこだけ別世界になる。
そして、彼女は。
空っぽになってくれるのだ。
「私」を私が注ぎ込む容器に。

私は彼女によって引き出されたといっても過言じゃぁない。
彼女と最初に出会えたから、私は今のカタチを手にすることができた。

彼女は何処までも空っぽになり、
私はそこに、私を注ぎ込む、という作業。
その作業をひたすら続けた。
彼女の写真があったから、私はプリントでも自分のカタチを見出すことができた。

とんでもなく大きい、とてつもなく大きい、私にとってそういう存在だ。

この写真は、ネガは同一。
素直に焼けば左のようになる。
でもそれじゃぁ私のカタチとは違うから、私は右のように焼く。

これが私のカタチ。
これが私の世界。

彼女との出会いは、私に、私、を知らしめるものだった。