2014年5月25日日曜日

二十代の群像より

二十代の群像というシリーズでつきあいのある若者と撮影に行った。
早朝午前三時に起きだし、三時半には出発。そして目的地の公園に着いたのが午前四時。
でも夏の朝は早い。あっという間に空の色は緩み始める。
冷えるね寒いねなんて言い合っている間に、空は朝焼けの色へ。

撮影開始。
彼とカメラを挟んで向き合うのは二度目だが、彼は実にのびのびしている。いや、
本当は緊張しているのかもしれないが、その緊張を上回るように「楽しい」という感じが伝わってくる。
だから私も思う存分楽しんでいる彼を追いかける。

一度目に撮らせてもらってから彼には本当にいろいろあったらしい。
私が知っている範囲でも、あれもこれもといろいろあった。
でもそのどれもが、きっと彼の血肉になって、肥やしになって今在るに違いないと感じられる。

二十代。
二度とない年月だ、それは。
十代でも三十代でもない二十代にしかできないことがどれほどあるかということは、過ぎてみて初めて知る。
二十代だからこそ赦されること、
二十代だからこそでき得ること、
二十代にしか見えない地平が、確かに在った。私にも在った。
だから、私は彼らに伝えたいと思う。
思う存分足掻けよ、抗えよ、意地をはれよ、見栄をはれよ、肩ひじ張って駆け抜けろよ、と。

朝はあっという間に明けていった。
朝露でぐっしょりぬれた足で、その日私たちは帰路についた。

また、向き合える日を、楽しみにしている。